通信Telecommunications
日本の顔ぶれ
アメリカの対応企業
ベライゾンVZ
Verizon Communications Inc.
個人向けと法人向けの2セグメント。携帯と固定回線の両方を提供する。
- 売上高21.9兆円
- 純利益2.7兆円
- 時価総額30.5兆円
- 株価46.35USD
- 掲載企業内シェア37.3%
- 決算期FY2025 · 米国基準
- KDDI
- NTT
- ソフトバンク
AT&TT
AT&T Inc.
米国の通信事業と、メキシコでの無線事業の2セグメント(2025年12月期)。通信が売上の96%を占める。2026年1〜3月期から3セグメントに組み替えた。
- 売上高19.9兆円
- 純利益3.5兆円
- 時価総額27.0兆円
- 株価24.87USD
- 掲載企業内シェア33.9%
- 決算期FY2025 · 米国基準
- KDDI
- NTT
- ソフトバンク
T-モバイルTMUS
T-Mobile US, Inc.
無線通信に集中。年間契約や超過料金の廃止など、Un-carrierと称する施策を掲げる。スペースXの目論見書は、衛星から携帯電話へ直接つなぐサービスの米国の提携先にT-モバイルを挙げる。
- 売上高14.0兆円
- 純利益1.7兆円
- 時価総額29.1兆円
- 株価171.31USD
- 掲載企業内シェア23.8%
- 決算期FY2025 · 米国基準
- KDDI
- NTT
- ソフトバンク
スペースXSPCX
Space Exploration Technologies Corp.
衛星通信のStarlink(コネクティビティ)・ロケットの打ち上げ(スペース)・AI(xAI・X)の3部門。2025年12月期は売上高の61.0%がコネクティビティで、部門の営業利益を出しているのはこの部門だけ(連結は25億89百万ドルの営業損失)。Starlinkの契約者は2026年6月末に約1,200万。衛星から携帯電話へ直接つなぐサービスでKDDIと提携し、2026年4〜6月期にソフトバンク・NTTドコモとも提携を始めた。2026年6月に上場したばかりで、通年の数値は上場前の目論見書による3期だけ。
- 売上高3.0兆円
- 純利益▲7,837億円
- 時価総額334.9兆円
- 株価160.57USD
- 掲載企業内シェア5.0%
- 決算期FY2025 · 米国基準
- KDDI
- NTT
- ソフトバンク
カードの下にある「対応する日本企業」は、その米国企業と事業が重なる会社です。
この業界の米国企業を取り扱う証券会社
このページの米国企業の株は、日本の証券会社の米国株取引を通じて買えます。取り扱いの有無は証券会社ごとに違います。口座・手数料・為替・取引時間・税は米国株を買うにはにまとめました。
| 米国企業 | SBI証券 | DMM 株 | 松井証券 | 三菱UFJ eスマート証券 |
|---|---|---|---|---|
| ベライゾン(VZ) | 載っている | 載っている | 載っている | 載っている |
| AT&T(T) | 載っている | 載っている | 載っている | 載っている |
| T-モバイル(TMUS) | 載っている | 載っている | 載っている | 載っている |
| スペースX(SPCX) | 載っている | 載っている | 載っている | 載っている |
公式の取扱銘柄一覧を機械で読めた4社と、このページの米国企業のティッカーを突き合わせた結果です。一覧に無くても取り扱いがあることや、その逆もあります。
規模の比較
日本企業(オレンジ)と米国企業(青)を同じ物差しで並べています。
日米の構造の違い
日本の通信会社は、通信だけの会社ではない
日本側3社は、いずれも通信以外の事業を大きく抱えています。
- NTT — 4つの区分のうち、グローバル・ソリューション事業はコンサルティング、ITソリューション、システム開発、データセンターです。NTTデータグループがここに入ります
- KDDI — パーソナル事業に金融、エネルギー、LX(ライフトランスフォーメーション)が含まれます。持分法適用の共同支配企業にローソンがあります
- ソフトバンク — 5つの報告セグメントのうち、メディア・EC(Yahoo! JAPAN、LINE、ZOZO)とファイナンス(PayPay)で売上の約3割です
一方、ベライゾン・AT&T・T-モバイルの3社は通信に寄っています。AT&Tは2025年12月期に売上の96%が通信セグメント(2026年からは米国の5Gと光回線・銅線・メキシコの3区分)、ベライゾンは個人向けと法人向けという顧客の区分で、どちらも中身は通信です。T-モバイルの報告セグメントは「Wireless」の1つだけです。
★★スペースXは形が違います。売上の61.0%は衛星を使う通信(Starlink)ですが、ロケットの打ち上げ(21.9%)とAI(xAI・X、17.1%)も同じ会社の中にあります。通信も地上の回線ではなく、低軌道を回る10,200基超の衛星で届けています(2026年8月4日提出の10-Q)。
「通信会社」という同じ棚に並べても、会社の輪郭が違うというのが、この業界を見るときの最初の注意点になります。
区分の切り方も違う
- ベライゾン — 顧客で切る(個人向け、法人向け)
- AT&T — 2025年12月期までは地理で切る(米国の通信、メキシコ)。2026年1〜3月期からは米国を回線の種類で分け(5Gと光回線のアドバンスト・コネクティビティ、銅線のレガシー)、メキシコと合わせて3区分
- T-モバイル — 区分は「Wireless」の1つだけ
- スペースX — 事業で切る(ロケットのスペース、衛星通信のコネクティビティ、AI)。2026年1〜3月期に、xAIの合併を受けてこの3区分に組み替え、過去の期も直した
- KDDI — 顧客で切る(パーソナル、ビジネス)
- NTT・ソフトバンク — 事業の種類で切る
顧客で切る点が一致しているのはKDDIとベライゾンです。このページで構造が最も近い組み合わせになります。
正面から競合する組み合わせがない理由
当サイトは「世界市場で同じ製品・顧客を取り合っている」と書く場合、双方の開示資料でそれを確認します。地上の携帯電話は各国の免許を受けて行う事業で、日本の3社が米国の利用者に携帯電話を売ることはなく、ベライゾン・AT&T・T-モバイルも日本の利用者に携帯電話を売っていません。
同じ理由で、地上の通信会社の売上は基本的に自国の市場から生まれます。AT&Tの海外事業はメキシコだけで、売上の3.5%です。日本側3社も海外はKDDIのモンゴル・ミャンマーなど限られています。★スペースXも目論見書(424B4)で、地上の通信会社はふつう1つまたは複数の国の顧客にサービスを提供しており(例としてベライゾンの米国を挙げる)、世界中の顧客に売っているわけでも、世界中に設備を持っているわけでもないと説明しています。
世界で戦う建設機械や自動車のメーカーとは、この点が根本的に違います。
スペースXは、衛星で国をまたいで通信を届ける
★★スペースXは、この点で地上の通信会社と違います。衛星網のStarlinkで167の国・地域・市場の顧客に通信を届けており(10-Q)、地域別の売上(取引が発生した国の基準)は米国69.4%・アイルランド9.8%・カナダ4.1%・その他16.7%です。米国以外が30.6%を占めます。★会社はアイルランドを単独で示す理由を書いていません。★★日本単独の売上は開示されていません。
★目論見書は、衛星から携帯電話へ直接つなぐStarlink Mobileの第1世代のサービスについて、米国・カナダ・英国・日本・オーストラリアなどで商用の提供に必要な承認を得たと記載しています。
スペースXと日本の3社は、競合ではなく提携でつながる
★★衛星から携帯電話へ直接つなぐStarlink Mobileは、各国の携帯電話会社と組んで提供するサービスです(約30か国)。スペースXの目論見書(424B4)は提携先に、米国のT-モバイルと、KDDIなど海外の携帯電話会社を挙げています。★2026年8月4日の決算発表資料は、4〜6月期にソフトバンクとNTTドコモ(NTTの連結子会社)とも新たに提携を始めたと記載しています。
- KDDI — 有価証券報告書(2026年3月期)に、衛星とスマートフォンの直接通信サービス「au Starlink Direct」を2025年6月からの料金プランに組み込み、接続数が400万人を超えた(2026年4月時点)と記載しています。法人向けでもStarlinkを新しい商材に挙げています。スペースXの社名は出てきません
- NTT・ソフトバンク — 有価証券報告書(2026年3月期)に、StarlinkもスペースXも出てきません(当サイトが全文を数えて0件)。NTTは宇宙ビジネスのブランド「NTT C89」を掲げ、ソフトバンクは衛星通信のサービスやHAPS(空飛ぶ基地局)を使って災害時などの通信を確保すると記載しています
★★スペースXの開示資料の上では、KDDI・ソフトバンクとNTTドコモ(NTTの連結子会社)は、いずれも提携の相手として出てきます。目論見書が挙げる競合に、日本の会社の名前はありません。
スペースXから見ると、ベライゾン・AT&T・T-モバイルは競合でもある
★★スペースXの目論見書(424B4)は、Starlinkのブロードバンドの競合として、地上の固定回線と携帯の通信会社にベライゾン・AT&T・T-モバイルを挙げています。★同じ目論見書がStarlink Mobileの米国の提携先に挙げるのもT-モバイルで、T-モバイルはスペースXから見て競合でもあり、提携先でもあります。
★規模は大きく違います。売上高はベライゾンがスペースXの7.40倍、AT&Tが6.73倍、T-モバイルが4.73倍です(いずれも2025年12月期)。日本の3社と比べても、NTTがスペースXの4.86倍、ソフトバンクが2.37倍、KDDIが2.05倍です。★スペースXの売上高は186億74百万ドル(約2兆9,641億円)で、このページの日米7社でいちばん小さい規模です。
スペースXで営業利益を出しているのは、通信の部門だけ
2025年12月期の部門の営業損益は、コネクティビティ(Starlink)が44億23百万ドルの利益(部門の売上高に対して38.8%・当サイトの計算)、スペースが6億57百万ドルの損失、AIが63億55百万ドルの損失で、連結では25億89百万ドルの営業損失でした。会社は全社の費用もすべて3部門に配分しており、3部門の合計が連結の営業損益と一致します(424B4の注記19)。
★会社は、スペースの損失の理由を次世代ロケットStarshipの開発と発射設備への投資の加速、AIの損失の理由を計算の費用・施設の費用・人件費の増加と説明しています。★★3期ともxAI(X・Grok)を合算した数値で、合併前のスペースX単独の数値ではありません。
よくある質問
ソフトバンクとソフトバンクグループは違うのですか?
別の会社です。このページで扱っているソフトバンク(証券コード9434)は通信事業を行う会社で、有価証券報告書には親会社がソフトバンクグループ㈱であると書かれています。ソフトバンクグループ(証券コード9984)は投資を主な事業とする会社で、通信の対応表には含めていません。
NTTドコモは対応表にないのですか?
NTTドコモはNTTの連結子会社で、有価証券報告書では総合ICT事業の中に含まれています。上場していないため、このページではNTTとして扱っています。★スペースXの2026年8月4日の決算発表資料は、衛星から携帯電話へ直接つなぐサービスの新しい提携先としてNTTドコモの名前を挙げています。
スペースXはなぜ通信の業界に入っているのですか?
売上の61.0%が衛星を使う通信(Starlink)だからです。2025年12月期の売上高186億74百万ドルのうち、コネクティビティが113億87百万ドルで、内訳は個人向け72億8百万ドル・法人と政府向け41億79百万ドルです。★Starlinkの契約者(サービスライン)は2026年6月末に約1,200万です。★残りはロケットの打ち上げ(スペース・21.9%)とAI(xAI・X・17.1%)で、ロケットの事業は重工・防衛の業界ページで三菱重工業・川崎重工業・IHIと並べています。★同社は2026年6月に上場したばかりで、通年の数値は上場前の目論見書(424B4)による3期だけです。
スターリンクと日本の通信会社はどんな関係ですか?
開示資料の上では、提携の関係です。★★スペースXの目論見書(424B4)は、衛星から携帯電話へ直接つなぐStarlink Mobileの提携先の1社にKDDIを挙げ、2026年8月4日の決算発表資料は、4〜6月期に新しく提携を始めた海外の携帯電話会社としてソフトバンクとNTTドコモを挙げています。★KDDIの有価証券報告書(2026年3月期)は、衛星とスマートフォンの直接通信サービス「au Starlink Direct」の接続数が400万人を超えた(2026年4月時点)と記載しています。★目論見書が挙げる競合に、日本の会社の名前はありません。★日本でのStarlinkの売上は、スペースXも日本の3社も金額で開示していません。
日米の通信会社を比べる意味はありますか?
同じ顧客を取り合うわけではないので、勝ち負けを比べる意味はありません。このページの目的は、同じ「通信会社」でも会社の形が国によってどう違うかを見ることにあります。日本の会社が通信以外の事業を大きく持つのに対し、ベライゾン・AT&T・T-モバイルの3社が通信に寄っているのは、その一例です。★スペースXは衛星通信・ロケット・AIを1社で持つ会社で、日本の3社(NTTは連結子会社のNTTドコモ)とは、衛星から携帯電話へ直接つなぐサービスで組む関係にあります。
数値はいつ時点のものですか?
売上高は直近の通年決算で、米国企業は米国SEC(証券取引委員会)に提出された年次報告書(10-K)、日本企業は金融庁EDINETに提出された有価証券報告書が出典です。★★スペースXは2026年6月に上場したばかりで10-Kがまだ無いため、上場前の最終目論見書(Form 424B4・2026年6月12日提出)の監査済み財務諸表によります。2026年2月に合併したxAI(X・Grok)を含めて合算した数値です。株価と時価総額はページ下部の更新日時点のものです。
各社の決算期はそろっていません。ベライゾン・AT&T・T-モバイル・スペースXは12月期、NTT・KDDI・ソフトバンクは3月期です。会計基準は日本3社がIFRS、米国4社が米国基準です。売上高の範囲は完全には一致しないため、表と図には各社の期と会計基準を併記しています。
注記(2件)
- アメリカの対応企業
- 日米それぞれの開示資料(年次報告書・有価証券報告書)でセグメントを突き合わせ、重なりを確認できたものだけを載せています。どこがどう重なるかは下の「日米の構造の違い」で説明しています。
- 取扱銘柄一覧の日付は、SBI証券 2026年8月19日更新 公式・DMM 株 日付の記載なし 公式・松井証券 2026年10月7日更新 公式・三菱UFJ eスマート証券 日付の記載なし 公式。
- 規模の比較
- 米ドルはページ下部のレートで円換算しました。会計基準が異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません(各社の基準を併記しています)。上のカードの「掲載企業内シェア」は、掲載した米国企業4社の売上高合計に占める割合です。世界市場でのシェアではありません。
出典
売上高・純利益は各社の直近の通年決算(米国企業 FY2025/日本企業 2026年3月期)によります。出典は米国SEC(証券取引委員会)の年次報告書(10-K)(XBRLの無い期は、同社が提出したForm 424B4の表から当サイトが書き写した値)、金融庁EDINETの有価証券報告書、株価はYahoo Finance。金額の円換算は1米ドル = 158.73円、株価と時価総額は1米ドル = 158.25円。
投資判断は自己責任で行ってください。
当サイトは特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
数値は更新時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。
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