キャタピラー(CAT)はどんな会社か
コマツを知っている人にとって、キャタピラーは「アメリカのコマツ」と説明されることの多い会社です。油圧ショベル、ブルドーザー、鉱山向けの大型機械という主力は、たしかに重なります。
ただし年次報告書(10-K)を読むと、それだけの会社ではないことが分かります。石油・ガスや発電、船舶、鉄道に使うエンジンの事業が、建設機械と並ぶ主要セグメントとして立っています。
基本情報
- 正式社名
- Caterpillar Inc.
- ティッカー
- CAT(NYSE)
- 業種(SEC登録)
- Construction Machinery & Equip(SIC 3531)
- 決算期
- 12月期
- 株価
- 856.57 ドル(約 136,456 円)
- 時価総額
- 62.7兆円
- 発行済株式数
- 459,674,889 株
- 従業員数
- 約118,000人(うち米国外 約66,400人)2025-12-31 時点
- 販売網
- ディーラー 米国内41・米国外109、190カ国に対応
事業の中身
4つの報告セグメント
キャタピラーは5つの事業単位で運営され、そのうち4つを報告セグメントとしています。
- Construction Industries(建設機械)— インフラや建築の現場で使う機械
- Resource Industries(資源・鉱山)— 鉱山向けの大型機械
- Power & Energy(パワー&エナジー)— 石油・ガス、発電、船舶、鉄道、産業用途向けのエンジンや発電機
- Financial Products(金融)— Cat Financial と保険子会社。機械の購入資金を融資する
会計上の区分では、Financial Products を除いた製造部分をまとめて「Machinery, Power & Energy」と呼びます。決算を見るときは、製造業の数字と金融の数字が分かれている点に注意が要ります。
なお、Power & Energy は以前「Energy & Transportation」という名称でした。過去の資料と読み比べるときは、同じ事業を指していることに気をつけてください。
売るのは自社ではなくディーラー
キャタピラーは独立したディーラー網を通じて機械を売っています。10-Kによれば、米国内に41、米国外に109のディーラーがあり、190の国に対応しています。
自社で直接売るのではなく、資本関係のないディーラーが在庫を持ち、修理や部品供給まで担う。この形が、機械そのものと同じくらい同社の説明に出てきます。
従業員の半分以上が米国外
2025年12月31日時点の従業員は約118,000人で、そのうち約66,400人が米国外にいます。米国の会社ですが、人員の面では半分以上が国外という構成です。
何で稼いでいるか
事業別
- パワー&エナジー(エンジン・発電)4.3兆円39.7%
- 建設機械4.0兆円36.3%
- 資源開発(鉱山機械)1.9兆円17.8%
- 金融(販売金融)6,723億円6.2%
地域別
- 北米5.8兆円54.2%
- 欧州・中東・アフリカ2.0兆円18.9%
- アジア太平洋1.8兆円16.6%
- 中南米1.1兆円10.3%
FY2025の売上高の内訳です。米国SECへの提出書類(XBRL)から取得し、合計が売上高と一致することを確認しています。区分は会社が開示するものをそのまま用いており、当サイトで分類し直したものではありません。日本語の区分名は当サイトによる訳です。四捨五入と社内取引の相殺のため、内訳の合計は売上高と一致しないことがあります。
最新の決算
2026年4〜6月期10-Q 2026-08-05 提出
| 項目 | 2026年4〜6月期 | 2025年4〜6月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3.3兆円 | 2.6兆円 | +24.0% |
| 営業利益 | 6,842億円 | 4,556億円 | +50.2% |
| 純利益 | 5,724億円 | 3,471億円 | +64.9% |
米国SEC(証券取引委員会)に提出された四半期報告書(10-Q)の数値です。当サイトが原文を翻訳したものではなく、開示された数値をそのまま日本語の表に置き換えています。増減は前年の同じ四半期との比較です。円換算は表の下に記載した基準日のレートによる単純換算で、決算時点の為替とは異なります。
- 四半期報告書(10-Q)2026年4〜6月期米国SEC EDGAR(英語)
- 年次報告書(10-K)2025-12-31 期末米国SEC EDGAR(英語)
- 提出書類の一覧(EDGAR)過去の決算をすべて辿れます
業績と配当の推移
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 1株あたり配当 |
|---|---|---|---|---|
| FY20252025-12-31期末 | 10.8兆円 | 1.8兆円 | 1.4兆円 | 5.94 ドル |
| FY20242024-12-31期末 | 10.3兆円 | 2.1兆円 | 1.7兆円 | 5.53 ドル |
| FY20232023-12-31期末 | 10.7兆円 | 2.1兆円 | 1.6兆円 | 5.10 ドル |
| FY20222022-12-31期末 | 9.5兆円 | 1.3兆円 | 1.1兆円 | 4.71 ドル |
| FY20212021-12-31期末 | 8.1兆円 | 1.1兆円 | 1.0兆円 | 4.36 ドル |
直近5期の通年決算です。出典は米国SEC(証券取引委員会)に提出された年次報告書(10-K)。円換算は表の下に記載した基準日のレートによります。配当は実績であり、将来の配当を示すものではありません。
日本企業との違い
コマツとの重なり(対応の濃さ ◎)
コマツも建設機械・鉱山機械を主力とし、販売金融の部門(リテールファイナンス)を持っています。事業の柱の立て方がよく似ており、この業界で最も対応が明快な組み合わせです。
違いはエンジン事業の位置づけです。キャタピラーは Power & Energy を主要セグメントとして持ちますが、コマツの事業区分は「建設機械・車両」「リテールファイナンス」「産業機械他」の3つで、エンジンは建設機械・車両部門の中に含まれています。
日立建機との重なり(対応の濃さ ○)
日立建機は油圧ショベルを中心とする建設機械と、鉱山機械のアフターサービスの2セグメントです。油圧ショベルと鉱山という軸では重なりますが、製品の範囲はキャタピラーの方が広く、日立建機には販売金融のセグメントがありません。
| 日本の企業 | 対応の濃さ | 重なるところ |
|---|---|---|
| コマツ | ◎ | 建設機械・鉱山機械・販売金融の3点で構造が重なる |
| 日立建機 | ○ | 油圧ショベルと鉱山機械で重なる。キャタピラーは製品範囲がより広く、金融部門も持つ |
対応の濃さ:◎ 直接競合(世界市場で同じ製品・顧客を取り合う)/○ 同業(業界は同じだが事業構成が異なる)/△ 部分対応(一部の事業のみ重なる)。判定は日米双方のセグメント開示を突き合わせて行っています。
よくある質問
キャタピラーとコマツはどちらが大きいのですか
売上高で比べると、直近の通年決算ではキャタピラーがコマツを上回ります。具体的な金額は下の表と、建設機械の業界ページに掲載しています。ただし決算期と会計基準が異なるため、売上高の範囲は完全には一致しません。
「Cat」と「Caterpillar」は同じ会社ですか
同じ会社です。Cat は製品ブランドとして使われる略称で、金融子会社の Cat Financial などにも使われています。
配当はどのくらい出ていますか
1株あたりの配当実績を下の表に載せています。金額は米ドルで、円換算はしていません。将来の配当を予想するものではありません。
数値の基準日と出典
- 決算
- FY2025(2025-12-31 期末)
- 株価・時価総額
- 2026-08-15 時点
- 為替
- 1米ドル = 159.31円(2026-08-15 時点)
事業内容・従業員数・販売網は FY2025 の 10-K、売上高・利益・配当・発行済株式数は同社のXBRLデータ(米国SEC)、株価と為替は Yahoo Finance によります。
投資判断は自己責任で行ってください。
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数値は基準日時点のものです。最新の情報は各社の開示資料をご確認ください。